配文に関する凶相印

  • 斜め彫りの印
    字を斜めに彫った印は、見た目には美しくても、精紳統一のない不安定な形です。無駄や浪費が多く、対人関係のトラブルも絶えず、破壊の相をもち、特に晩年は、金運・物質運ともに見はなされ、日々の生活が精一杯という、悲運相の印とされています。
  • 左文の印
    今日ではめったに見られませんが、あれば思考の異常と錯覚をきたします。
  • 増字した実印
    たとえば、姓名の次に「印」、「之印」、「之章」などを加えたもの。これも注意散漫と勝手気ままな正確を表しています。
  • 誤字印
    誤字には、偽字や別字も含まれます。病気や災難を招き、凶相となります。
  • 偏った印
    字が一方に偏ったもので、これも精紳の安定がなく、一生不平不満に終わります。
  • 字体が不揃いの印
    楷書と行書を組み合わせたり、偏の中に二字収めたりしたものです。これも、運命に翻弄されやすい、苦労の多い人生となります。
  • 省略の印
    たとえば、長島二郎の場合、「長ニ」としたり「島郎」としたりするものです。世をすねたり、やくざの群に投じたりする放埓さがみられます。
  • 符号と混同した印
    たとえば、姓名のほかに屋号を入れたり、絵を入れたり、ローマ字を入れたりするもの。これも世をすねたり、ものごとが投げやりになったりします。
  • 四すみの空間が多すぎる印
    印面にくらべて字体が極端に小さく、まわりに広い空白のある印は、不安定・貧困・孤立を意味し、チャンスをつかんでもすぐ放してしまうことから、いつまでたってもうだつがあがらず、下積み生活を送る印とされ、愛情関係にもめごとが多いといわれます。
  • 白文の印
    文字部分を彫って白く浮き出させたものですが、これは趣味印以外用いません。

体に関する凶相印

  • 楷書体の印
    ものごとに几帳面ですが、意志が弱く、活気のない下積みの一生を送ります。
  • 行書体の印
    これも力なく、人まかせで、あれこれと気苦労が絶えません。
  • 草書体の印
    陰気でこせこせし、ひとりよがりに終わります。
  • 隷書体の印
    親分肌ですが、結局は孤独となり、人と和合することもなく、社会から取り残されます。
  • 奇字体の印
    文字部分を彫って白く浮き出させたものですが、これは趣味印以外用いません。
  • 白文の印
    幾何学模様か、みみずのからみあったようなものです。三文判とも呼ばれ、責任を回避するために用いられることもありますが、このような印章を認印に使えば、病疾、災難を招く大凶相です。一時は印章業界に流行して、識者に眉をひそめさせたこともありました。
  • ローマ字体の印
    現在では用いる人はありませんが、あれば、遊印か?識印ということになります。
  • 意匠入りの印
    輪郭に竜・雷・花・唐草などの紋を巻いたもの。かつて高級印章に多く用いられましたが、現在はほとんど姿を消しました。財力と権威を好み、家庭を乱す凶相印で、こうしたもをわざと作る場合は、身をほろぼすことになります。

形状に関する凶相印

  • 楕円形の印
    円の不完全な形をあらわし、俗に三文判と呼ばれて、現在、認印に多く用いられている大衆印ですが、一生を下積み生活の逆境から抜けきれない貧相印の代表とされ、印の重要性に無関心な人が多くもっている印です。この種の出来合い印はさらに悪相となります。
  • 小型の印
    訂正印と認印の中間で、用途が明確でないものです。これは以外に多く、不平不満の原因を作っています。
  • 大型の印
    野放図でしまりなく、実行力が伴わず、身を破滅させるもとになります。
  • 角型の印
    実印・銀行印・認印には、絶対に用いてはなりません。圭角を表わし、角が立つので、ものごとが円滑に行きません。また、印面通り四方通り四方を壁に閉ざされて、努力しても報われず、運勢にムラが多くて、永続的な発展は望めないといわれます。仕事でも生活でもムダが多い人生を送る人の印に多く、一名散財印とも呼ばれています。
  • 奇形の印
    いびつなもの、ひょうたん型、扇面型。環状型など。これは、現在では遊印以外に用いられていませんが、あれば悪相で注意散漫といえましょう。
  • 欠落の印
    ワクや字体に欠損やヒビのある印は、凶相です。浪費や散財が多く、稼ぎが出費に追いつかず、健康体の人も故障に悩むようになる相といわれ、人間的にもしだいに姑息となり、ついには周囲から背を向けられる印とされています。印字や印体に欠損の起こった場合は、印相印章学上、持つ人に起こる異変の身がわりをつとめ、分身の使命を果たし終えたものと考えられ、早急の改印が必要とされています。こうした印は、直ちに廃されるべきものです。
  • 指輪の印
    金・銀・プラチナなどの指輪に名前を掘り込んだ印は、印の本質とかけ離れたもので、借金判ともいわれ、一生金銭トラブルがつきまといます。軽薄・奢侈・怠惰をあらわし、投棄・賭けごと、異性問題で身を滅ぼす凶印とされます。
  • 印材を継ぎ合わせた印
    先継ぎ印ともいわれます。水牛と象牙、あるいは象牙と金銀など、異質の印材を継ぎ合わせた印で、事業の挫折・夫婦家族?の離反など、思わぬ事故や災害にあいやすく、物事がすべて中途で破れて成功しない挫折運を表すことところから、不就印と呼ばれています。
  • 太枠細字の印
    外枠が太く、中の字が細く彫られた印で、生き方の内容を貧弱にし、発展性をさまたげる凶相印です。運勢の好機があっても生かせず、閉鎖的でひとりよがりの生活を送ることになり、特に社会的地位の向上を得るには障害のある印です。
  • 二重輪郭の印
    角・丸共に、この印はとかく自我に溺れて周囲から離反しやすく、また家庭的なトラブルを起こし、愛情運に恵まれません。萎縮と虜囚の相があり、夫婦間ではどちらかが早く先立つ相の印といわれ、一名を苦労印ともいいます。
  • 埋寒の印
    傷を補修して異物を埋めたもの。これは使用すべきではありません。
  • 傷痕の印
    傷のある印、もしくは傷つけた印です。これも、使うことがあればその身を破ります。
  • 変形の印
    猛獣の牙型、竹の根型、パイプ型、こけし型、途中角型、仏像型、絵像、五重塔型など。これらは玩具に近いもので、使用すべきではありません。
  • ひも通し印
    印材に穴をあけてひもを通したもので、これも散財印であり、貧相があるため、その日暮らしの運命に陥ります。
  • 装飾印
    印材に絵柄や文章をいれたもの。学校の卒業記念の印などによく見られますが、自分の体に刺青をしたのと同じで、社会からつまはじきにされます。協調性、規律性がないので、仕事でも不和が絶えず、集団就職した中・功卒業者の中途退職したケースなど、この印の所持者に多く見られます。
  • 両面印
    印材の両端を印面としたもので、遊印にはこうした例がありますが、一般には用いるべきではありません。
  • 多面印
    これも古代にはありましたが、現在では遊印以外には見られません。
  • 機械式の印
    これは集金人がよく用いますが、単に符号を捺したにすぎず、印章とはいえないものです。

印材にに関する凶相印

  • 金印・銀印
    古代は最高級の印材とされましたが、生活の奢侈から奢りや生じやすく、盗難にあって溶解されてしまったり、運勢が破滅する兆しがあります。
  • 銅印
    古くから銅は印材に用いられ、古代の名印はほとんどが銅印です。産出量が多いこと、やわらなく彫りやすいことなどがあげられますが、緑青が出て、しだいに磨滅するので、運気はよくありません
  • 水晶印
    硬くて彫りにくいので偽造できないとか、見た目は美しいとかいわれて、戦前に流行しましたが、欠けやすく、印影が不鮮明で冷たい感じがするこどなどから用いられなくなりました。病難を招く、衰運の相を持つ印です。
  • めのう印
    水晶、ヒスイなどと同じく、破材不実の印材で、病運を招きます。
  • 竹根印
    虫がつきやすく、割れたりしますので、印材には不適です。
  • 玉印
    どのような玉質も彫刻しにくいもので、印材に不向きです。
  • 石印
    彫りやすい滑石などもあり、多く用いられていましたが、欠けやすいのが欠点で、印材には不向きです。ただし、遊印には多く用いられます。
  • 合成樹脂印
    これは、熱によって変化しますので、印材には不向きです。一時流行して、現在も市販されていますが、俗に「ねりもの」といわれ、人生に熱冷の差が激しく、運命に翻弄される凶印です。
  • 鹿角印
    これは量産ができず、やはり磨滅と欠損があり、不向きです。神経系統の疾患にかかりやすく、煩悶が絶えません。
  • 鯨歯印
    まっこう鯨の歯を用いますが、ながい間には欠損します。歯はものをかみ砕く意味があり、狂暴性と放浪性があります。
  • 獣牙印
    象牙を除いては、いずれも狂暴性があり、野性的な闘争性を帯びているため、正常な生活は営めません。
  • 紫檀・黒檀印
    材料難もありますが、材質は以外ともろく、捺印面も筋があって不鮮明です。意志が弱く、病難を招く印とされます。

その他の凶相印

  • 同姓の捨得印
    これは、他人の悪運まで背負いこむので、凶相とされます。
  • 彫り直し印
    他人の印章や自分の不用印の彫り直しですから、自立心や自我を欠き、人まかせで一生を終ることになります。
  • 譲り受けた印
    同姓の印を譲り受けた場合も、他人のさまざまな運勢を反映しますので、凶相となります。
  • 生気のない印
    正しい根拠にもとづいて、正しい鑑定彫刻された印鑑には、おのずから作った人と、持つ人に通いあう精魂がこもり、見るからに生き生きとした生気が感じられるものです。形だけ吉相印の条件を備えていても、その作成上なんの根拠も持たない、ただ真似をしただけの贋物印にはこの生気が感じられません。機械彫りで量産される既製印印にも同じことがいえますが、こうした外形だけ開運吉相を売り物にした印は人を欺く大凶印といえましょう。
  • 汚損印
    汚れ、不潔、しみ、ひびわれなど、いずれも保存の注意を怠ったためで、ケースにきちんとおさめないところから生じます。災難・病疾・貧困など、一生ついてまわって離れません。
  • さぐりつき印
    字頭つきともいいますが、印を分身と見るとき、印面は顔にあたりますから、字頭は頭、または首といってよいでしょう。したがって、そこを傷つけることは、体を傷つけることになります。字頭となる材料を埋めることは刺青と同じことあり、凶相といえましょう。
 
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